まいど!さくらワークス(@SWorks0303)です。どーも。
ミラジーノ専門の整備屋として、延べ1000台以上のジーノの販売・メンテナンス・カスタマイズに携わってきた経験を余すところなく公開し
ジーノユーザー(ジーナー)さんやジーノの購入を検討されている方の、かゆいところへ手が届く。そんなお役立ち情報を発信しています。
どうぞ、よろしくお願いします。
給油口が開かない!?フューエルリッド・オープナーワイヤーが破損しているかも?
ガソリンスタンドで給油口を開けようと思ったら、なんかレバーがスカスカしてる?!て、なったことはございませんか?
この事例は、L700ジーノではよくある話でして(あまり遭遇したくはないですよね)
給油口を開けるためのフューエルリッド・オープナー・ワイヤーという部品の破損が原因なのですが、ガソリンスタンドに入るという事は、ガソリン残量が少ないからでしょうから
『 給油口が開かない・・・ ま、仕方がないから帰るか 』 とはなりませんよね。
この記事を読んでいただくと、そのようなトラブルに遭遇したときの応急処置方法と、急場を乗り切った後の修理方法を知ることが出来ます。
知らないのと、知っているのでは雲泥の差。今後も安心安全なジーノライフをお送りいただく為の知識として、最後までお読みいただければ幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

緊急時の応急処置
なにわともあれ、緊急時の応急処置を知っておく必要があります。
- 車室内のセンターコンソールを取り外してワイヤー本体にアクセスし、直接ワイヤーを引っ張る
- 左リヤクォータ―パネル内張り(給油口の車室内側)を外して、給油口のロックスライドピンを直接動かす
以上、2通りの方法があります。

外から給油口をコジって無傷で開けることは構造上ほぼ不可能です。破壊覚悟でコジって開けるよりも、内張りクリップを破壊してでも内張を外した方が安くつきますよ。
ここまでご覧いただいて 「自分では出来なそうだなぁ」と感じた方は、無理せずご契約の自動車保険に付帯しているロードサービスを利用しましょう。
その場で応急処置してくれるか、無理なら整備工場まで運んでくれます(ほとんどの場合、搬送費用は無料)
レンタカー特約を契約していれば、その場にレンタカーを届けてくれるサービスもありますし、レンタカー特約がなくても、自宅までお帰りになる際の交通費(公共交通機関に限る)が支払われます。
イザという時の為に、自動車保険の契約内容を把握しておきましょう。


使用する工具と純正パーツ
緊急時の応急処置でしたら、ワイヤーまで取替える必要はなく給油口が開けばOKですので、純正パーツのフューエルリッド・オープナーワイヤーは、修理するときに準備するものとお考えください。


純正オープナー・ワイヤー
本名は【ケーブル・バックドア・ロック】
本記事ではオープナー・ワイヤーで通します。ご了承ください。

使用工具
- プラスドライバー(長/短)
- 10mm・12mmソケット+ラチェットレンチ
- 14mmスパナレンチ
- 精密マイナスドライバー
- クリップ外し
- ビニール紐+ハサミ
センターコンソールを取り外しワイヤーにアクセスする



後方のプラスねじとサイドブレーキ下奥のメクラ蓋を外します。


センターコンソールを外すときには、オープナー・レバーはそのままでOK。サイドブレーキは引き上げた状態で、後方を持ち上げ前方にスライドさせると引き抜けます。

センターコンソールを抜き取る時、オープナーレバーとのクリアランスが狭いですが、破損に注意しつつグッと引抜いてしまってOKです。


取付けの際はオープナーレバーを取り外しておく必要があります。
実際に触ってみると、センターコンソールが付いていない状態でないとオープナーレバーを取外すのが困難なことが分かると思います。
精密マイナスドライバーなどで、レバーのツメ(引っ掛かり)を起せば引き抜けます。
ワイヤーの破損個所の確認

ワイヤーのカシメ部分のプラスチックが割れています。
この状態でレバーを押し込んでみると分かるのですが、ワイヤーチューブごとスライドしてしまい肝心のワイヤーが押し込まれないので給油口が開かなくなっているのです。
ワイヤチューブを手で固定してオープナーレバーを押し込めば、パカッと給油口が開きますので取り急ぎ給油は出来るようになります。

ワイヤーを取外してみるとよく分かります。こうなっていたら、もう役立たずです。

オープナーレバーを引っ張ればバックドアが開きます。
上記のプラスチック部分が割れても、ワイヤーを引っ張る方向には無関係ですので
給油口は開かないけどもバックドアは開くという症状の場合は、十中八九ここのプラスチック割れが原因ですね。
オープナーワイヤーは正常。それでも給油口が開かないときは
「フューエルリッド・オープナーワイヤーを点検してみたが、例のプラスチック部分も破損してないし動きも正常のようだ」
どうしよう・・・
安心してください!そんな時は、給油口を手動で強制的に開ける方法があります。
ここから先はオープナーワイヤーの取替え方法の解説になります。応急処置的に給油口を開けたいだけの場合は、リヤシートを取外す必要はありません。
また、左リヤクォーターパネル内張りも完全に取外す必要はありません。腕が入るすき間を作って給油口裏側にアクセスできればOKです。
給油口のロック機構の構造は画像でご確認ください。ある程度理解できれば指先ひとつでロック解除できると思います。
リヤシートを取り外す


シート座面左右前方にフックがあります。上方に引っ張ると外れます。


シート座面左右後方に差し込み金具があり、ボディ側のコの字金具に差し込まれていますので、前方にスライドさせて引き抜きます。

スペアタイヤハウスのビニールカバーを取外す

ビニールカバーは破れやすいので丁寧な作業が必要ですよ。


取外し時には固定用のプラスチックパーツを引張って外すようにしましょう。ビニールを引っ張ると破れます。
リヤシートの背もたれを外す

リヤシート背もたれは左右を12mmボルト(M8)で固定してあります。特に問題なく外せると思います。
位置決めの突起がありますので取付け時には注意が必要です。
スカッフ・プレートを取り外す

リヤドアを開けた足元に付いているスカッフ・プレートは引っ張れば外れます。
水色が固定クリップ、後方の金色の金具にもスカッフ・プレートがはまっていますが固定力は弱め。メインは水色のピンです。
オープナーワイヤーを取替える場合はフロアカーペットをまくり上げるので右側のスカッフプレートも取外しましょう(画像は左側)
左クォーターパネルの内張りを取外す


画像中央の位置に10mmボルト(M6)


その他に、プラスねじタイプのクリップ×4で固定してあります。
このクリップが曲者で、ねじ山は潰れやすいわ外側のスリーブと共回りしやすいわで、すんなり外れること方が少ないです。
純正パーツで1個200円くらいしますが、あまりに外れないようなら破壊もやむなしといったところでしょうか。
ダイハツ純正部品販売で購入可能です。探せば対応する社外品もあると思います。


クォーターパネル内張りを外すと、給油口ロック機構のスライドピンに直接アクセス出来るようになります。
画像中央の黒いプラスチックがスライドピンです。取り付けてある金具ごと左に動かすとロックが外れます。
オープナーワイヤーのプラスチック割れが原因でなかった場合でも、ここまでバラせば給油口を手動で開けることが出来ます。

構造さえ分かっていれば、全て取り外さなくても隙間からスライドピンを動かすことが出来ますよ。
オープナー・ワイヤーの取替え
ワイヤーの固定クリップを外す

この状態までバラしたら、オープナー・ワイヤー取替えにかかります。


リヤシート足元中央のセンタートンネル上にワイヤーガイドがあります。
少し変形させればワイヤーが通りますので、ガイドを車体から取外す必要はありません。


ミドリ色の固定クリップは破壊厳禁です!
新品ワイヤーには付属しませんので、硬いようならドライヤーで温めるなど出来る限りのことをしてから慎重に取り外しましょう。

クリーム色のクリップは新品ワイヤーに付属しますので、外しにくかったら心おきなく破壊してもらって結構です。その場合、車体側を変形させないように注意しましょう。
バックドア・ストライカーを外し、オープナーワイヤーを引抜く


バックドアのストライカーを外します(10mmボルト(M6)×2)
ストライカーの取付け位置は微調整できるようになっていますので、取り外す前にマーキングしておくと元の位置に戻しやすいです。

マーキングし忘れても、ボルト跡が残っていることが多いので、それに合わせて組付ければ大きくはズレませんよ。

ワイヤーの先端にビニール紐を結びます。
これをやっておくと、組付けがスーパー楽チンになりますのでおススメです。


給油口内の14mmナットをスパナで緩め、ワイヤーの固定プラスチック(紫)を外します。

ワイヤーを引き抜きます。これで取外し完了。
取付け時には先端に結んでおいた紐を、新品ワイヤーに結び替えて元来た道を戻してやる訳です。これをやらないと取付けに3倍くらい時間が掛かります。
あとは逆の手順で元に戻したら作業完了です。
最後にまとめ
フューエルリッド・オープナーワイヤーの取替えのまとめです。
給油口が開かなくなったら、応急処置は2通り
- センターコンソールを外してオープナー・ワイヤーに直接アクセスする
- 左クォーターパネル内張りを外して、給油口のスライドピンに直接アクセスする
オープナーワイヤーを取替えるための内装取外し手順
- センターコンソール
- リヤシート座面
- リヤシート背もたれ
- 左右スカッフプレート
- 左リヤ・クォーターパネル内張り
オープナーワイヤー固定ヶ所
- サイドブレーキ付近
- センタートンネル上
- リヤシート座面下
- 左クォーターパネル内側
作業の注意事項
- ミドリ色のワイヤー・ガイドクリップは破壊厳禁!
- バックドア側のワイヤー先端にビニール紐を結んで、取付け時のガイドにする(ここ重要)
- フロアカーペットのたるみも、ついでに直しましょう
以上になります。
組付け方法などご不明の点がありましたら、お問合せフォームよりご連絡ください。
【おまけ】フロアカーペットのたるみ解消


スカップ・プレート付近のフロアカーペットがたるんで、だらしなくなっていませんか?

フロアカーペットは、画像の金色の金具に挟んでボディに固定できます。カーペットが少し浮くくらいまで後方に引っ張り金具で挟みます。

この通り、たるみが無くなりました。外したついでに見栄えを良くしてあげましょう。
それでは、楽しいジーノライフを!
ほなね~

