まいど!さくらワークス(@SWorks0303)です。どーも。
ミラジーノ専門店の整備士として、1000台以上のジーノの販売・メンテナンス・カスタマイズに携わってきました。
L700ミラジーノの、かゆいところへ手が届く。そんなお役立ち情報 を、このブログで発信しています。
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L700ミラジーノのステアリングはカタカタ音鳴りする
L700ミラジーノのステアリングはカタカタ音鳴り します。
エンジンマウント劣化から来るステアリングの振動ではなく、何かを叩くようなカタカタ音 が特徴です。
原因特定のための点検方法
✅エンジン始動、ブレーキを踏み Dレンジへシフト。
✅ステアリングを回して、カタカタ音がハッキリ確認できるポジション を探ります。
✅カタカタ音が出ている状態で、ステアリングから足元に伸びる ステアリングのシャフトを左足で軽く押さえてみる。
✅押さえた際に カタカタ音が止まるならステアリングのシャフトが原因。
Instagramに動画をアップしていますので、是非そちらもご確認ください。
ステアリングのシャフトの名称
ステアリングチューブ
カタカタ音鳴り原因のステアリングのシャフトの正式名称は ステアリングチューブ(略称:ステチュー)です。
さくらワークス(本ブログや他SNS)では、正式名称のステアリングチューブ(たまに略称のステチュー)と表記を統一します。
音鳴りするステアリングチューブと対策品
ステアリングチューブは3種類あります。
L700ミラジーノの ド前期、前期、中期モデルは、カタカタ音鳴りするステチュー が採用されていました。
ド前期モデル用は 小物入れ取り付け用フレーム固定ブラケットが溶接されていません。このブラケットが付いているかの見極めも必要ですね。
LTDモデルの一部と後期モデルは 対策品に部品変更されています。
ステアリングチューブの種類についてまとめます。
- ド前期モデル:カタカタ音鳴りする。小物入れ取り付けフレームの固定ブラケットが無い。
- 前期、中期モデル:カタカタ音鳴りする。小物入れ取り付けフレームの固定ブラケットが溶接されている。
- リミテッドモデル:H13/10~H14/8までの間のどこかで対策品に切り替わっている可能性が高い。
- 後期モデル:対策品が採用されている。基本、音鳴りしない。
- どちらのモデルも、小物入れ取り付けフレームの固定ブラケットが溶接されている。
ステアリングチューブの入手方法
ステアリングチューブは純正品です。
すでに 純正新品は製廃。ほぼ同時に新品と並行してメーカーから供給されていた リビルド品も製廃 になりました。
そこで、対策品の中古品を探す わけですが、ネットオークションの参考画像で対策品なのか正確に判断できるかの問題が発生します。
間違って落札してしまっても返品は難しいでしょう。
詳しい専門業者さんに関与してもらって間違いないモノを購入するのが安全ですね。
さくらワークスのオンラインショップ でも(若干ですが)取扱いがございます。
相談できる業者さんが居ない方、失敗したくない方は、お気軽にご相談ください。
※オークション画像やIDを添付して「これは対策品ですか?」等のお問い合わせはご遠慮ください。
ステアリングチューブの取替え手順
取替えに使用する工具の一例
エアバッグ脱着用の トルクスソケット(T30)、キーシリンダー取り外しに使う オートポンチ がやや特殊かなと。
ステアリング取り外し時に 十字レンチ(19mm)、取り付け時に トルクレンチ があるとベターですね。
ステアリングを取り外す
ステアリング取り外しまでは、下記ブログ記事で詳しく解説しています ので、そちらをご参照ください。
L700ミラジーノのウッドステアリングおすすめ4選【取替え手順も詳しく解説】
ステアリングコラムカバーの取り外し
ド前期、前期モデルまでは、ハザードスイッチがコラム上にあります。
スイッチ裏側の ツメを押し込んで引き抜きます。
コラムカバーの 下側5ヶ所のプラスねじ を外します。
コラムカバーを上下に分割 します。
画像のように右側から取り掛かるとスムーズです。
コラムカバー(上側)を変形させつつ引き抜きます。
①ワイパーレバー、ウインカーレバーをいっぱいまで下げ、②広げながらレバーを避けて引き抜きます。
車室内を温めてから取り掛かると、破損のリスクが低減できますよ。
ディマスイッチの取り外し
エアバッグ配線カプラーの ロックを外しカプラーを切り離します。
プラスねじ2ヵ所と、配線カプラー3ヵ所 を切り離します。
ディマスイッチを取り外した状態。
ディマスイッチ構成部品の スパイラルケーブル(黄色エアバッグケーブルが出ている所)はクルクル回ります。
組付け位置が決まっていますので動かさないよう保管しておきましょう。
キーシリンダーの取り外し
ワイヤーケーブルユニットを取り外します。
キーシリンダーから出ている青線のカプラーを切り離します。
※矢印は精密ドライバーの動きを表しています。ツメが掛かっている 隙間にマイナスドライバーを差し込んでコジる イメージ。
オートポンチを使用して 焦らずコツコツとボルトを緩めて いき
ある程度ボルトが緩んだら、ラジオペンチで掴んで一気に回します。
画像は組付け時に使用する 純正ロックボルト。
締めこんでいくと 一定のトルクが掛かった時にねじ切れる特殊ボルト(8mm)を使用します。
ご参考まで。
足元キックパネルとフロアカーペット
足元右側キックパネルのクリップ2ヵ所(奥側はカーペット固定と共用)を取り外し、小物入れをフレームごと取り外します。(10mmボルト、10mmナット×2)
小物入れを取り外したら、画像の黄丸(左と中央)のクリップにアクセスしやすくなりますので取り外します。
ド前期は小物入れが付いていませんが、ステチューを取替えることで装着可能になりますよ。
詳しい取り外し方法は、下記ブログ記事をご参照ください。
エアコンの風が出ない!?L700ミラジーノのブロアモーター取替え方法を詳しく解説。
ステアリングチューブの脱着
カーペットをめくるとジョイント部分のカバーがあり 10mmボルト×3 で固定されています。
カバーを取り外したら ジョイント手前側の12mmボルト を取り外します。
その他、ハーネス固定のピンとエアバッグハーネスカプラー を切り離します。
ステアリングチューブを車体に固定している 12mmボルト、ナット(4ヵ所)を取り外して手前に引き抜きます。
スプライン(たて溝)に 位置決めの突起がありますので、引き抜く際のマーキングは不要 です。
これで、ステアリングチューブの取り外しは完了。
ここからは、事前に用意した対策品を組付けていくわけですが、組付け順や注意事項があります。
ステアリングチューブ取付け時の注意点
取付け時には、順番や注意点がありますので、作業前にご確認ください。
ステアリングチューブのスプライン
ステアリングチューブの挿し込み側は、スプライン(たて溝)になっています。
ここがスムーズに刺さらないと後々大変な目にあいますので、取付け前に異常がないかの確認&清掃とグリスアップをしておきます。
画像右黄丸は挿し込み位置。スプライン位置決めの突起がセンターに来るように。
センター以外(左右にズレた状態)では挿し込めません。
※分かりやすいようにジョイントを取り外して撮影しています。
キーシリンダーのワイヤーケーブル
キーシリンダーが外れている状態なら、ステアリングチューブ取付け後、キーシリンダー取付け前に ワイヤーケーブルをシリンダーに取り付けます。
黄丸の 突起をワイヤー側金具に引っかけながら、矢印のようにスライド させるイメージです。
後述のキーシリンダーをステアリングチューブに残したまま作業する場合は
ステアリングチューブ固定前にワイヤーケーブルをキーシリンダーに取り付ける必要 があります。
キーシリンダーを残しての作業は(この部分に関しては)少し難易度が上がりますね。
ステアリングコラムカバーねじ
ステアリングコラムカバーねじは、推奨する締付け順序があります。
①は上下のコラムカバーの固定、②③はコラムカバーとステアリングチューブの固定になりますので
①、②③の順序で締め付けていくとスムーズに取り付けができます。
スパイラルケーブルとウインカーキャンセル機構
ディマスイッチのスパイラルケーブルを回転させてしまった場合は、コーションシールの通りに位置合わせ を行ってください。
何らかの理由で、スパイラルケーブルを単体で脱着した場合は、ウインカーキャンセル機構の位置合わせ もお忘れなく。
ステアリングチューブ側の白いプラスチック突起を、スパイラルケーブル側凹みにハマるように組付け てください。
ステアリングセンターのズレ
いくら注意していても、ステアリングセンターが微妙にずれることがあります。
ステアリング本体の取け付け位置のミス(スプライン1コマ分のズレ)の場合、11度ほどズレる計算になります。(時計で例えると2分くらい)
それ以下のズレなら、ステアリングチューブ本体を取り替えたことが原因 ですので、足回りの タイロッド長さを調整してステアリングセンターを出す必要 があります。
ステアリングの締め付けトルク
取り外し時にナットにもマーキングしましたが、ステアリングチューブ本体が換わっていますので
マーキング位置まで締め付けても目安にしかなりません。
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メインキーシリンダーの豆知識
メインキーシリンダー単体での脱着
中古ステアリングチューブは キーシリンダー付きでネットオークションに出品されている ことがほとんどです。(外すのが面倒だからかな?)
キーシリンダーは単体で脱着できます ので、諸条件によってはシリンダーボディはそのままにキーシリンダーのみを移植するパターンも選択肢の一つですね。
最後にまとめ
L700ミラジーノのステアリングからのカタカタ音鳴りの修理を詳しく解説 のまとめです。
- L700ミラジーノのステアリングは カタカタ音鳴りする。
- カタカタ音の 原因はステアリングチューブ。
- 後期モデルは対策品 に変わっている。
- ステアリングチューブは 製廃パーツなので対策済み中古品を探す ことになる。
※さくらワークスオンラインストアでも取扱いあり。 - キーシリンダーボディを付け替えるなら オートポンチは必須。
- スパイラルケーブルは取り扱い注意。(組付け位置がある)
- 組付け時の注意点 がけっこうある。
- キーシリンダーは単体で付け替えが可能。
- 正確に組付けても、若干ステアリングセンターがズレることがある。
- ステアリングのカタカタが止まると気分がいい。
ステアリングチューブ取替え作業難易度はやや高め。この記事を読んで出来そうな気がしたら是非チャレンジしてみてください。
無理そうならプロに依頼しましょう。中古部品の選定が難しいので、間違わないようしっかり打合せしましょう。
それでは、楽しいジーノライフを!
ほなね~
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